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2009年9月 6日 (日)

ブータン国王が選んだ道

国土の南北をインドと中国に挟まれ、九州ほどの面積しか無い小国、ブータン
主要産業は農林業で、その人口も70万人に満たない小国のニュースがテレビや新聞に載ることは稀にしか無い。
Yadi

ブータンは、20世紀初頭より国王が統治しており、2006年には皇太子であったジグメ・ケサル・ナムギャル・ワンチュクが新国王に成った。

この国は、ヒマラヤに接した内陸部に位置する地勢が幸いして、インドやインドシナ半島諸国のようにヨーロッパ諸国の植民地として支配・搾取されることも無かった。

さらに、長年にわたる鎖国政策によって、世界に類のない貴重な文化と遺産が残されている。
Parodzong

昔話では、国王が支配する国には暴君による恐怖政治や搾取されて泣く農民たちのイメージが強いが、ブータン国王の目指すものは国民の幸福そのものだ。

国王の目指すものは『国民総幸福量(Gross National Happiness)』という理念で発表され、以下の4つの具体策から成る。

1) 持続可能で公平な社会経済開発
2) 自然環境の保護
3) 有形、無形文化財の保護
4) 良い統治

世界中のほとんどの国が、経済面での成長を目指したりグローバリズムの波に乗った代償として、独自の文化や伝統を失ってしまった。

我々の日本国も、先の敗戦以来はアメリカ文化にどっぷりと浸かってしまい、若者層は古来の伝統や宗教に見向きもしなく成ってしまった。

しかし、ブータンでは公の場での民族衣装の着用が義務付けられており、文化や宗教の面でも古来の教えが引き継がれている。
Trad_costume

国王がこの民族主義とも言える閉鎖的な国策を主導するのは、物質的な豊かさと引き換えに多くのものを失ってしまった先進諸国へのアンチテーゼだろう。

我々日本人はインターネットやマスコミを通じて流行の最先端と接することができるし、物余りとも言える大量消費文化に浸っているが、地球温暖化やメタボリックシンドロームなどの深刻な問題にあえいでいる。
その半面、ヒマラヤのふもとで農林業を営む民たちの暮らしはグローバル文明やグルメ・大食とは縁遠い質素なものだろうが、幸福という尺度で計れば我々の暮らしを凌駕しているのではないだろうか。
Paro_valley

ちなみに、ブータンに入国するにはビザが必要だし、個人旅行は極めて難しい。また、観光で入国するには、一日200ドルの観光公定価格を支払わなければならない。
Drukair

かつて、ヒマラヤに接するネパールやチベットが、ヒッピーのメッカと成り下がってしまった事実があるが、せめてブータンだけは国王の確固たる理念で幸福な国家を建設してほしい。

※記事に引用した写真は、かつてのメル友が送ってくれたものです。

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