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2009年6月

2009年6月25日 (木)

道東の夏鳥(2009年夏)

一年のうちの半分近くをストレスとハードワークの中で過ごすAshにとって、年に一度の探鳥旅行は重要なカタルシスだ。
今年は、道東方面に五泊六日の探鳥旅行をすることにした。

■6月18日
13:00 関空発のANA便で女満別空港へと向かう。
今回の周遊コースだと釧路空港に着いたほうが便利なんだけど、残念ながら関西方面から釧路空港への直行便は廃止されてしまったので、女満別から時計方向に南下することになる。
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北へと向かう777。WingTipの青色が紺碧の空に溶け込んでいる

16:00 女満別着でレンタカーを借り、今晩の宿となる養老牛温泉の『湯宿だいいち』へと向かう。
女満別から養老牛温泉へは、美幌峠を経由して約3時間のドライブだが、久しぶりに見る道東の雄大な自然に目を奪われる。
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屈斜路湖越しに見えるサワンチサップなどの山々

18:00 養老牛温泉に到着。『湯宿だいいち』は人気投票でいつも上位にランクされる有名な宿だ。豪華なコース料理の夕食とバイキング方式の朝食がセットで\15,900は料理旅館としてはリーズナブルな料金だけど、こんなボリュームたっぷりの食事を一週間も続けたら病気に成るかも。
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味噌たっぷりの毛ガニが肴だとビールも旨い

この宿に泊まった目的は、今は希少種と成ってしまったシマフクロウをロビーから見れるから。
ちょっとずるいかも知れないけど、ビールを飲みながらロビーでくつろいでたらシマフクロウが5メートル先の生け簀へ魚を食べにやってくるんだから、軽装備の旅行者には有り難い。
しかし、残念ながら午後9:30ごろから翌日の午前3:30ごろまで粘ってみたが、ついにシマフクロウが姿を現すことが無かった。
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ISO感度を3200にセットし、止まり木に来るはずのシマフクロウを待ったが...

聞くところによると、このシマフクロウは近所の『藤や』という宿でも餌付けしているらしく、どちらの宿に食事に来るのかは鳥の気分次第のようだ。

  湯宿だいいち(\15,900) 
  TEL: 0153-78-2131、夕食は19時半が最終


■6月19日
北海道ではたくさんのオオジシギを見かける。養老牛温泉を出発して間もなくの牧草地でも何羽ものオオジシギがギュルギュルと鳴きながらディスプレイフライトしている。
オオジシギの特徴でもあるが、高くまで舞い上がった後で尾羽を拡げてバリバリと音を立てながら急降下する姿には驚かされる。
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ギュルギュルギュル、その後バリバリバリ

彼らが舞い降りる先は草むらなので 、絵になる写真を撮るのに難儀する。
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やっと撮れたのがこの一枚。

道東を旅したかった訳には、羅臼岳や阿寒岳などの山への憧れもあった。
Ashは山登りこそしないものの、雄大な原始の山には惹かれるものが多い。
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夏羽のアオジは勇ましそうなガングロだ

今日は雄大な山々を眺めながら知床半島を経由し、野付半島の宿へは夕方までに到着する予定だ。
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果てしなくまっすぐに続く道は北海道らしい光景だ

知床ではウトロに立ち寄って、時間があればケイマフリなど見たいものだと思いつつドライブしてる最中、毎朝飲んでる降圧剤を自宅に忘れてきたことに気付いた。
大阪のかかりつけ医に電話してみたが、薬を入手するには現地の医療機関で受診と処方してもらうことしか無いと言われ、清里という町の診療所を訪ねてみた。
診療所のドアを開けて驚いたのは、ロビーのソファーが老人で埋め尽くされていたこと。
初診のAshは4時間待ちで無いと診察してもらえないと言われガックリきたが、降圧剤なしでこれからの旅行を続けることに不安もあり、田舎の診療所で無為な4時間を過ごすことにした。
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知床への道中は斜里岳や海別岳などの美しい山が続くが、四時間の遅れで心は焦りっぱなし

16:00 やっとウトロの町まで辿りついたが、今晩の宿には18時までに到着しないといけないので、残念ながら羅臼岳は横目でちらりと眺めただけで通過。
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羅臼側からのキリが羅臼岳を包み始めた

知床峠には『熊の湯』という有名な露天風呂が在るのだが、今回はあきらめるしかない。いずれにせよ、知床半島は機会があれば再チャレンジしたい魅力たっぷりの土地だ。
峠からは北方四島が見渡せるはずだが、あいにくの濃霧で視界は数十メートルしか無い。
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何も見えない知床峠で記念写真をパチリ

道を急いだためか、標津の町には予定よりも少し早めに到着。
暇つぶしに漁港をぶらぶらしていたら、見慣れない鳥が目についた。ユリカモメだ。
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清楚なイメージのユリカモメも、夏羽では顔面が真っ黒になる


18:00 野付半島の付け根の標津の町に在る『船長の家』に到着。
この宿は釣り客に人気があるらしい。この夜も、札幌から川釣りに来たという同宿者から釣りたてのアマゴをごちそうしてもらう。
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このお盆の料理+花咲ガニで\6,300の宿泊料は大歓迎

宿の名に相応しく、近海で捕れた魚介類がたっぷりの夕食だ。
お盆の左横の白身の魚はオオカミウオ。見るのも食べるのも初めてだが、グロテスクな外観には似合わない美味だ。
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白身の刺身の正体はこいつだ。鋭い牙が獰猛な性格を物語っている

  船長の家(\6,300)、夕食は18時
  TEL: 0153-82-3051

■6月20日
08:00 民宿での朝食を済ませ、野付半島の探索を始める。
野付半島はオホーツク海に向かってススキの穂の形に伸びた日本最大の砂嘴(さし)で、湿地帯が半島の大部分を形成している。

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カッコーを発見、どうしてこいつらは人工物にばかり止まりたがるんだろう?

知床半島や根室半島ほどの知名度は無いものの、ここにはたくさんの自然が残されているのでバーダーにとっては魅力あふれる土地だ。


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道ばたの草むらでコヨシキリが体躯に似合わぬ大声でさえずっている

半島の中央部にはネイチャーセンターが在るが、その実態は道の駅のような観光施設で、トドワラというトドマツの枯木原の見学に訪れた観光客でにぎわっていた。

ネイチャーセンターを後にして半島の先端部を目指す。
大きな湿地の真ん中に、数羽のカラスやキタキツネに混ざって一羽のオジロワシを発見。
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ぬかるむ湿地を少しずつ前進して、なんとか10メートル程度まで近寄ることができた

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図体が大きい割には気が弱いのか、カラスにからかわれても怒りもしない

遠くの小枝にノゴマの姿を見つけたものの、あまりにも遠すぎて絵になる写真が撮れない。ノゴマも今回の旅のお目当ての一つだけに悔しい。
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二倍のテレコンバータを付けて撮った写真をトリミングしてもこのサイズ(悲)

この半島ではシマエビやホタテ、アサリ、ホッキ、ホヤなど数多くの魚介類が捕れる。
昨夜の宿でも、特産の海の幸づくしの夕食を楽しませてくれたな。
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漁を終えたフィッシャーマンたちが網の水洗いと手入れをしている

16:00 野付半島を十分に堪能できたので、今晩の宿が在る春国岱(しゅんくにたい)へと向かう。
宿の食事には少し早いので、風連湖に立ち寄ってみる。
ここは冬季に白鳥やオジロワシなどで賑わう湖だが、この季節には冬鳥には会うことができない。
遠くの草原でタンチョウがエサを食んでいる。
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気品のある姿に惚れて厳冬の鶴居村に通うバーダーも多い

今晩の宿、『フィールドイン風露荘』は、野鳥好きが高じて東京から道東に移住したオーナーが経営するこじんまりとした宿だ。
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林に囲まれた宿には、旅人のみならず多くの野鳥も訪れる

昨今は民宿とは名ばかりの大規模経営の似非民宿が多い中で、夫婦だけで地味に切り盛りしている宿こそ民宿の名が相応しい。
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書架には野鳥および野鳥の羽根に関する書籍がぎっしり並んでいる

  フィールドイン風露荘(\7,000)
    TEL: 0153-25-3905

■6月21日
07:00 宿からは車で10分で到着する春国岱の探索を始める。
春国岱は、オホーツク海と風連湖に挟まれた細長い砂州で、ノゴマやノビタキ、オオジュリンなど草原の鳥が多く見られる。
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野鳥の居る林に向かって木道が続く

林の手前の草むらから鹿の群れが顔を出す。
木道そばの掲示板には「熊に注意」と書いてあるのが怖いが、それほど豊かな自然が残されているということだろう。
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ここの鹿はあまり人を恐れない

木道近くの枯れ木に見たことの無い鳥が一羽。おー、アリスイではないか。
この鳥に会いたくて、この春には自宅近所の公園に通っても会えなかったのに、なんと北の湿地で会えるなんて大感激だ。

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あわてて撮ったのでピントが大甘だけど、かろうじてアリスイとは解るかな

林の中ではミソサザイやコマドリのさえずりが聞こえるものの、どうしても姿を見つけることができない。
ウグイスを始めとした林の鳥たちの臆病な習性は、彼らの写真を撮る立場からは辛いものがある。

オオアカゲラが真っ赤な木の実を咥えて枯れ木に止まって、木の実を木の窪みに埋めている。北国の長い冬に備えて食料の備蓄をしているのだろうか。
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オオアカゲラは個体数が少ないので、北海道でも稀にしか見かけない

湿原の小道を岬に向かって散策してみる。
何も無い湿原を散策するような変人は他には居ないようで周囲には人影もないが、ヒバリやセッカがAshの遊び相手に成ってくれる。
途中の休憩小屋の屋上に登れば湿原が一望できる。

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冬場の探鳥には格好のシェルターになるだろう

16:00 春国岱を堪能したので、今晩の宿が在る霧多布(きりたっぷ)岬に向かう。
目的地の霧多布岬は濃霧に包まれていて、かろうじて海面が見える状態だ。
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まさに霧たっぷりの岬と洒落てみても、何も見えないのはつまらないものだ。

今晩の宿は、『えとぴりか村』。
ここのオーナーも昨夜の『風露荘』のオーナー同様、東京の出身らしい。
北の大地には、花のお江戸の便利な暮らしを捨ててまで移住したくなる魅力が多いのだろう。
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えとぴりか村では野鳥撮影などで各地から訪れた夫婦連れ三組と同宿だった。

  えとぴりか村(\6,300)、18時までにチェックインのこと
  TEL:0153-62-2202

■6月22日

08:00 今朝も霧に包まれた霧多布の岬。
朝食前に宿の周囲を探索してみるが、あいにくの霧で何も見えない。
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朝露をびっしり含んだラベンダー

「この霧では湿原を散策するのは無駄」との宿の主人のアドバイスを参考に、湿原の北西の林道を迂回しながら釧路湿原へ向かう。
確かに林道まで霧は及んでいなかったので、周囲の見晴らしは良い。
火散布沼沿いにリルラン林道を南下中にビンズイに出会う。
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ビンズイを低地でふつうに見ることができるのも繁殖地ならではだろう

行き交う車もほとんど無いので、ジョギング程度のスピードでゆっくり走り、周囲の野鳥の気配を探る。
ウグイスが低木の梢でさえずっていたが、人の気配を感じると草藪に隠れてしまう。
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ウグイスの鳴き声は頻繁に聞くものの姿を見ることは稀だ

12:00 霧多布から牧草地帯を通り抜け、釧路湿原のシラルトロ湖に到着。
ここには野鳥の観察施設が在り、草原越しに湖も望めるらしい。観察小屋までの林ではたくさんのセンダイムシクイが鳴いているものの、その姿は全く見ることができない。
この湿原へはタンチョウヅルや猛禽類が冬場に訪れるらしいが、初夏の6月はノビタキが主役だ。

夜には釧路市内で呑む約束が在るので、早めに湿原を後にして釧路の街を目指す。
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湿原の向こうをJR釧路本線の列車がとおる

釧路の街の北側に拡がる釧路湿原は野鳥の宝庫としても有名だ。
Ashもこの原野がお気に入りで、特に釧路川の水門あたりの草っぱらに惹かれるものが多い。
水門に到着すると望遠レンズを構えた先客が前方の樹に止まったベニマシコを撮っていた。釧路市民の彼もこの水門近辺が好きで、しょっちゅう訪れているとか。うらやましい話だ。
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ノビタキとベニマシコのツーショットが撮れるのも北海道ならではだ。

釧路川の支流沿いにゆっくりと車を走らせていると、ノビタキの家族に出会った。
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わずか2メートルの距離にエサをくわえたメスが止まってくれたのでパシャリ

釧路港そばの『ラビスタ釧路川』にチェックインし、最上階の展望浴場で汗を流したうえで繁華街へと向かう。
釧路は、この春に札幌で知り合った画家のNさんの故郷でもある。
偶然にもNさんの帰郷期間中にAshが釧路に立ち寄ることが判り、お勧めの店で一緒に呑むことに成った。
栄町4丁目の『きや利』は、東京出身のおかみさんが切り盛りする、ちょうど良い広さの居酒屋だ。
おかみさんの自慢は日本酒の品ぞろえの豊富さとジャンボ餃子。確かに具たっぷりでジューシーな餃子はお勧めだが、それ以外も美味しい料理ばかりなので悩んでしまう。
Ashが嬉しかったのは、大好きな富山県岩瀬浜の銘酒「増寿泉」の大吟醸が在ったこと。
「増寿泉」は能登杜氏の三杯(さんばい)さんが丹精込めて創り上げてきた銘酒だが、大々的な宣伝で拡販しようとはしない蔵元の姿勢も在ってか、地元の富山県でも在庫しているお店は多くない。その増寿泉に北の大地で会えた喜びと、Nさんと一緒に呑めた喜びが重なって、この夜はかなり度を越してしまった。
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とても還暦を超えたとは信じられないエネルギーと若さを感じるおかみさん

  ラビスタ釧路川(\5,000)
  TEL:0154-31-5489


■6月23日
08:00 きょうは旅行の最終日。もう一度釧路湿原を探索してから女満別空港に向かう予定だったが、あいにくの豪雨で車から外には出れそうにもない。
Nさんと「きや利」のおかみさんのお勧めも在って、鶴居の温泉で旅の汗を流すことにする。
鶴居の町にはTAITOという立派な入浴施設も在るが、湯治場フリークのAshには場違いな感じがして、近所の民宿『つるい』で日帰り入浴(\380)をする。
泉質は、「モール泉 ナトリウム・塩化物泉弱アルカリ性低張性高温泉」だとか。
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ここの湯船は、ステンレスの牛乳タンクを真っ二つに割ったものを流用している。

お昼前後には雨が上がるとの予報なので、雄阿寒・雌阿寒岳を目指して「まりも国道」を北上するものの、雨脚が強くて周囲の景色が見えない。
もう少しで阿寒富士が見える頃、前方に通行止めのバリケードが張られていた。
どうやら豪雨のために地盤が緩んでいて路肩などが崩れる危険が在るらしい。
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仕方なく林道を迂回することにしたが、ここも閉鎖中だ。

阿寒の連峰はあきらめて、美幌峠を経由して女満別に戻ることにする。
この道中には、Ashが行ってみたい湯治場の一つでもある『三香温泉』があるので、立ち寄ってみることにする。
現地には着いたものの敷地は閉鎖されていて、どうやら休業中のようだ。
満点の星空が見れるという、ひなびた一軒宿は湯治客にはとても有名なのだが、経営者の健康がすぐれないらしくて、数年前には閉鎖されていたこともある。
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門の外から宿の様子をうかがうも人気は無い

15:40 女満別を発つ。
今回の旅ではお目当てのシマフクロウに会えなかったし、霧や豪雨に悩まされたけれど、北海道の雄大な自然とたくさんの生き物に会えたことで、明日からの仕事を頑張るエネルギーをチャージできたような気がする。
北海道は、本当に素晴らしい。
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能登半島沖の舳倉島は珍鳥・稀鳥の宝庫だ。

●北は北海道から南は宮古島までAshの目で見た鳥たちのホームページへもお越しください。

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2009年6月16日 (火)

まさかのノゴマ

ゴールデンウィークごろに、近所の畑でスズメくらいの大きさの鳥を見かけたのでパチリ。
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セッカ、ヨシキリ類、ムシクイ類にも似てるなぁ。
でも、同定できないんで鳥名探しの掲示板で質問してみたら、ノゴマ(♀)と教えてもらった。
ノドも赤くなかったし、まさか南大阪でノゴマが見れるとは思っていなかったので意外だったけど、どうやら北の大地への渡りの途中らしい。
ノドの赤いのはオスだけなんだね。

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2009年6月11日 (木)

グラン・トリノとパクス・アメリカーナ

『グラン・トリノ』を、ロードショーの最終日ぎりぎりの5月末に見に行った。
この映画には惹かれるものがあったけど、何故か主演のクリント・イーストウッドを全米ライフル協会会長だったチャールトン・ヘストンと勘違いしてて、観に行くことに抵抗があった。
チャールトン・ヘストンは俳優としては好きだったけど、全米ライフル協会の会長として銃暴力の頻発するアメリカでライフルや銃の所持を肯定する活動をし始めたころから嫌いになった。
『グラン・トリノ』のストーリーには、多くのメタファーが秘められている。

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<大まかなストーリー>
かつては朝鮮戦争に従事し、フォードの工場で組立工として働いていた老主人公。
すでに定年退職し、最愛の妻にも先立たれた彼には二人の息子や孫たちが居るものの、反りが合わず独り暮らしをしている。
最近、彼の住まいの近隣には東南アジアからの難民が多く住みつくようになり、白人は徐々にマイノリティに成りつつ在る。
黄色い連中がわがもの顔に白人の街を闊歩するのも面白くないし、彼らが乗りまわす車がHONDAやTOYOTAなのも忌々しい。

老人vs若者、白人vs東洋人、フォードvs日本車の対比は、かつては栄華を誇ったアメリカ帝国が衰退の一途をたどり、世界経済の主導権を中国などの新興国に奪われつつある現状を如実に物語っているのが面白かった。

しかし、それ以上に印象的だったのは、難民どおしのいさかいに主人公が短絡的な感情で介入したために難民どおしの抗争が激化し、主人公の隣人だった女子大生がレイプされてしまう。彼はその責任を感じてか、敵対する側のグループに単身乗り込んだのだが彼らから銃殺されてしまい、映画は終わる。

彼が難民どおしの抗争に介入した表向きの理由は正義感なのだが、実はチャーミングな女子大生にスケベ根性で惚れてしまったことが根底に感じられた。

アメリカ人である主人公が東洋人どおしの抗争にちょっかいを出して、かえって話をややこしくしてしまうというストーリーは、まさに前世紀からのアメリカが朝鮮やベトナム、中米の多くの国々、中東の多くの国々に対して防共や反テロリズムという大義名分でちょっかいを出した結果、にっちもさっちも行かなくなって結局は投げ出してしまう(=撤退する)というシナリオを連想させる。
大義名分では防共や反テロリズムを謳っているものの、真意では石油採掘権などの利権欲しさに中東に攻め入ったことは周知の事実だろう。

最近、ソマリアの海賊が問題に成っているが、この国だって内部の紛争にアメリカが勝手に軍事介入して無政府状態に成ってしまったために、国民としては海賊くらいしか生計の目処が立たないので、やむなく海賊行為をしてるんだという説もある。

この映画の主役でもあり監督でもあるクリント・イーストウッドが、この映画を通してアメリカ帝国の衰退と暴挙を訴えようとしていたのだったら、彼の勇気を心から褒め称えてやりたい。

『グラン・トリノ』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/#/top

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2009年6月 5日 (金)

Yahooからの怪しいメール

私のYahooメールアドレスに不思議な内容のメールが届いた。
要約すると、
1)私のYahooメールで何らかのトラブルが発生してる
2)このトラブルを解決するためには、差出人欄に「@mail.yahoo.co.jp」を含むメールは迷惑メールと見なさずに受信するように設定すべし
3)受信設定したことをYahoo!ヘルプセンターまでメールせよ

深く考えずに読むとYahooからの正当なメールと思い込んでしまうが、不審な点もいくつかある。
1)メール返信先のドメインがYahoo.co.jpではなくてhelp-center.jpであること
2)差出人欄には本来のメールアドレスでなく任意の文が書けるので、「@mail.yahoo.co.jp」と書かれていたとしてもYahooが差出人ではない可能性がある
3)この設定をすることで危ないメールが受信トレイに入り、ウイルスに感染する危険が増える
4)help-center.jpへメールを返送することで、私のメールアドレスが知られてしまう
5)メール末尾のリンクをクリックすることで、クリック詐欺などの危険性がある
6)フィルター追加ページが、このメールで書かれた場所には無い
7)私がメール障害の報告をした訳でもないのに、いきなり「この度の障害」と書かれている
8)help-center.jpへメールを返送しなければYahooIDを勝手に削除するぞ、と書かれている
やはり怪しいなと思ってネットを検索してみたら、案の定このメールは怪しいとの書き込みが何件か見つかった。

危うくネット詐欺やウイルスに悩まされるところだった。

長文ながらメール全体を以下に添付します。
皆様、くれぐれも騙されないように。

●6月5日追記
これ以外にも、「[Yahoo!メール] 利用登録されたお客様へお知らせ」という表題のメールが来たけど、同様にhelp-center.jpへのメール返送を誘っているので騙されないこと!

■□ここから■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
表題:[Yahoo!メール] お客様へ重要なご連絡がございます。

Yahoo!ヘルプセンターです。

恐れ入ります、お客様よりご連絡をいただけませんと、当問題を解決する事が
出来ません。

本来メッセージ情報の削除等の負荷軽減の削除・整理・振り分け処理は、ユーザ
ー側で行う仕様になっており、お客様自身に操作していただくものとしておりま
す。
ですがこの度の障害に伴いまして、現在お客様のYahoo! JAPAN IDでログイン後
のページ上では、Yahoo! JAPAN からのお知らせが迷惑メールフォルダへ移動さ
れ、本来表示されるはずのものが表示できない状態に至っております。
【メールフィルターの再設定操作後】、
至急Yahoo!ヘルプセンター:support@help-center.jp まで、
ご連絡をください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■  必ずメールフィルター(受信処理)を再設定し大至急!!ご連絡ください  ■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

▼ フィルター追加ページまでの操作方法 ─────────────────

【1】[Yahoo! JAPAN ID]で通常ログイン
    ※ベータ版をご利用の方は、前のバージョンに戻してください
【2】[メールオプション]を選択 
    ※ログイン後のトップページ右上
【3】[フィルターと受信通知設定]を選択
【4】[追加]ボタンを選択
【5】[フィルターの追加]ページが表示されます
____________________________________

続いてフィルターの追加ページでは、初期設定の登録を行います。
下記を参照し、必要記入欄にそれぞれ正しい情報をご入力ください。

▼ フィルター追加設定 ─────────────────────────

【6】[以下条件に該当する場合]の項目において、[Fromが【   】を含む]の
   空欄になっている枠内を選択
【7】空欄に、【 @mail.yahoo.co.jp 】を半角入力します
   ※ @mail.yahoo.co.jp は Yahoo! JAPANの公式ドメインです。
【8】[メールをフォルダに移動]の項目において、移動先フォルダを選択
  【受信箱】に設定します
【9】以上の設定を再確認し、問題がなければ画面左下の【保存】ボタンを選択
【10】[メールオプション] ⇒ [フィルターと受信通知設定]の順に選択
   下記表示があれば、フィルターの再設定完了となります。

____________________________________


┌─────────────────────────┐
│フィルターの名前:                │
│                         │
│ From: @mail.yahoo.co.jp            │
│                         │
│振り分け条件:                  │
│                         │
│ Fromが「@mail.yahoo.co.jp」を含む場合     │
│                         │
│配信先フォルダ:                 │
│                         │
│ 受信箱フォルダに移動する            │
│                         │
│                         │
│                         │
└─────────────────────────┘


※再設定完了前に、ご連絡いただきましても、対応致しかねます。また、当問題
が解決に至るまでは提供サービスにおける保障も致しかねますので、予めご了承
ください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

又、この度の不具合に伴い、今後お客様からの本件におけるお問い合わせにつき
ましては、Yahoo!メールヘルプからのお問い合わせフォームを利用して承る事が
出来ません。
お問い合わせに関しましては、上記 Yahoo!ヘルプセンターにて承っております
ので、お間違えにならないようご注意ください。

尚、現状のまま手続きの放置とも言わざるを得ない状態が続く場合、Yahoo!
JAPAN の判断にてアカウントを削除させて頂く事も御座います。
※アカウント削除の際は、事前・事後の報告は行わず、以後同じパソコンや携帯
電話では二度と利用出来なくなります。

登録情報の変更や、Yahoo! JAPAN IDの削除などについては、混乱を招く恐れが
ありますので、本件が解決するまでは行えません。万一、無断で行われた場合、
手続きの放棄と同様に悪質と判断し、規約に伴うしかるべき対処を厳しく行いま
す。
※このまま負荷増加に伴う不具合により、障害が拡大しますと他のお客様にまで
迷惑が及ぶ事態へと発展してしまう恐れがございます。本件の障害に伴い如何
なる事態が起こりましても、Yahoo! JAPANでは責任を負いかねます。

 お客様におかれましては、Yahoo! JAPANとしましても何卒誠意あるご回答を
お待ちしております。
また、本件は至急問題解決を必要としておりますので、迅速にお手配くださる
ようお願い申し上げます。


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だきましてもお答えいたしかねます。
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