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2008年12月

2008年12月26日 (金)

川エビの食いかた

『川エビの食いかた知っちゅん?』
カウンターの隣に座ってたオッちゃんが、いきなり声をかけてきた。

数日前から、高知県中部を流れる仁淀川下流の町へ仕事に来ている。
地方出張では必ずと言ってよいくらい、夜の飲み屋街を歩いて地酒と地物の肴を食べさせてくれそうな店を物色することにしている。

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川エビとは言えど、土佐の居酒屋で出てくるのは東京や大阪の居酒屋チェーンで見かけるスジエビの類いではなく、四万十川などでも生息する天然物の手ナガエビなのだ。
オッちゃんが言うには、川エビは尻尾の方から食べないと口やのどに刺さって怪我をするらしい。
オッちゃんは、物知らずの都会人の食べっぷりを見るに見かねて声をかけてくれたのだが、やはり彼が言う方法で食べるほうが理に適っていた。

せっかく地方に来たからには、いわゆる居酒屋チェーンで全国共通メニューの料理を食べるのは馬鹿げてるので、その土地の旬の食材を肴に飲むことにしている。

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最近はカツオを塩で食べるのが流行っているらしいので、『カツオを塩タタキで』と注文してみた。
店主いわく、この季節はカツオではなくてヨコ(クロマグロの幼魚)をタタキにするらしい。
この土地の名産であるニンニクをたっぷりとまぶしたタタキが運ばれてきた。
確かに、塩で食べる方が赤身本来の濃厚で柔らかな食感を堪能できるので、塩タタキが流行っている訳も理解できる。

タタキの横に並んでるのは地酒の瀧嵐(たきあらし)。
一般に土佐の酒は辛口なのだが、豪快な土佐料理にはこの辛さがぴったりだ。

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ヨコのタタキもそうだが、このカンパチの刺身も切りの分厚さには驚かされる。
土佐で食べる刺身はネタが新鮮なので美味しいのは当たり前だが、この重量感あふれる切り方にも『いごっそう』の土佐人気質を感じさせられる。

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四国はその名のとおり四つの国で成り立っているが、土地ごとに県民性の違いが強く感じさせられるのが面白い。
土佐人の気風で感じるのは、『いごっそう』や『はちきん』の言葉どおりの豪胆さと明るさだ。
この気風は南国土佐のカラッとした気候に所以するところが多いのだろうが、土佐の男たちの多くは沖縄や南西諸島の男たちと風貌や体形が似ているので、遥か昔に南方の国から渡来した民をルーツに持つところが、瀬戸内海側住民の県民性と大幅に相違する訳ではないだろうか。


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地方出張では酒の他にもたくさんの楽しみが有るが、ひなびた湯治場でのんびりと時を過ごす贅沢も好きだ。
かつては日本全国に多くの湯治場が有り、この季節には一年間の農作業の疲れを癒すために近隣のお百姓が米や味噌を持参して長とう留したものらしい。
この町にもかろうじて一軒だけ蘇鶴温泉という湯治場が残されているが、年老いた経営者の気力と体力が続くのは長くはないだろう。

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四国の川は四万十が有名だが、高知中央部にも仁淀川や鏡川などの清流が多い。
今回の旅のお目当ての一つとして、今では絶滅が危惧されているヤマセミを探すことがあった。
今回も、ブログなどの数少ない情報を頼りに仁淀川の中追渓谷や鏡川の菖蒲地区などを訪ね歩いてみたが、残念ながらヤマセミには会うことができなかった。

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しかし、どの川も自然が多く残されているために、鮎やヤマメの他にも川エビやモズクガニなどの生き物も多く、それらの生き物を餌とする動物や鳥類も豊富に残されているわけだ。
この流域でたくさんのカワガラスを見ることができるのも、川が豊かな証拠だろう。

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鏡ダムの湖畔では、一羽のノスリがじっと枝に止まっていた。
日が昇って体温が上がるのを待っているのだろうか。

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渓流伝いに山道を歩いていると、突然に数個の岩が川に落ちてきた。
崖のあたりを見ると、数匹のニホンザルが何かの木の実を食べている。
これからの季節は食糧事情が厳しく成る一方だろうから、少しでも多くの栄養を蓄えて生き延びて欲しいものだ。

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ヤマセミを求めて鏡川を更にさかのぼってみた。
お腹がすいてきたので立ち寄った山村の食堂でヤマセミのことを尋ねると、更なる上流の菖蒲という村あたりで見かけたとのことだ。
『菖蒲で勝負の前に腹ごしらえだ』と意気込んで注文したシシうどん。
猪肉は硬めだったが、美味しかったし身体の芯から温まった。

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しかし、菖蒲の村で出会った猟師の方々に尋ねてみると、『夏に、下流の小学校あたりや発電所近辺で見たけど、この季節はどうかな?』とのこと。
やはり、どこを探しても見つからない。

今日もボウズで打ちひしがれて宿に向かったが、帰路で立ち寄った吾北町のムササビ温泉は高知県内では珍しい含鉄泉で、お湯は茶濁色をしている。

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伊野の駅前には数件の居酒屋が有るが、店主の食材へのこだわりが味わえる山海亭が気に入った。
数人が座ればいっぱいに成ってしまうカウンター越しに店主と語らえる店の大きさも好きだ。
ここで食べさせてもらった肴の一つが、ウツボのたたき。
関西人はアナゴを好むが、ウツボは外観こそアナゴに似ているものの皮のあたりのコリコリとした食感は絶品だ。アナゴ同様に小骨が多い魚らしくて、骨抜きの作業が大変らしい。

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店主の勧めでジャコ天を食べてみた。ジャコ天は宇和島で何度か食べたことがあるが、この店で仕入れているジャコ天は当日の朝に獲れたばかりの魚で作るとのことで、プリプリとした弾力性のある歯ごたえは絶品だった。当然、味も良い。

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今回の旅では不幸にもヤマセミにこそ会えなかったものの、高知中部の清流と野鳥を堪能できたし、地酒と地物の肴と温泉も満喫できたので至福のひと時だった。


大阪に戻れたのはたったの一泊だけで、今晩のサンダーバードで厳冬の富山県へ向かう予定だ。
さぁ、こん夜はブリ大根で富山の銘酒『満寿泉』を飲もうか。

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2008年12月19日 (金)

人間(クズ)は乗せない宇宙船

キアヌ・リーブス主演の『地球が静止する日』を見てきた。
大まかなストーリーは、
①高度な文明を持った宇宙生命体が、ずっと前から地球を観察してた。
②人類が余りにも無謀に地球を痛めつけているため、このまま放置しておくと地球が破滅してしまうと判断した。
③地球を救うためには、人類以外の生き物を宇宙船に収容した後に、すべての物を食べつくす昆虫(ハムナプトラに出てくるスカラベのようなもの)で人類とあらゆる人造物を消滅させる。
という概要だ。
映画の出来そのものは1.5流程度に思えたが、ここ数カ月前から世界を震撼させている恐慌の兆しと、人類の文明が消滅するという映画のストーリーが重なって、とても興味深く見ることができた。
何よりも、地球を痛めつけている主犯のアメリカで作られた映画と言うことがブラックジョークだった。
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話は変わるが、政府は2009年度の経済はゼロ成長とする見通しらしい。
いつもアメリカの手のひらを舐めて尻尾振ってきた日本政府。
さて、飼い主のアメリカが重病にかかって飼い犬の世話どころじゃ無い窮状に陥った今と成っては、他の飼い主を探すか自立するしか無いのだろうが、世間から総スカンをくらってる我々には野良犬に落ちこぼれるシナリオしか残されていないのでは無いだろうか。

Ashは昔から思うことなのだが、欧米や日本など先進国は物質面ではすでに十分すぎるくらいに豊かなのだから、もうこれ以上に経済が成長する必要など無いのではなかろうか。

ほんの一部の先進国が、世界中の資源を好き放題に消費し続けてきた結果として、資源の枯渇や地球環境の汚染など深刻な問題を引き起こしてきている。

とばっちりを受けてるのは後進国の人々のみならず、人間以外の生き物すべてではないだろうか。

かつて、穢土と化した娑婆を浄化するために神が下した決断は、大洪水を起こして世の中の穢れを洗い流すことだった。
神は、NOAに『すべての生き物を一つがいづつ方舟に乗せよ』と命じたのだが、この神の決断に大きな過ちが有ったのでは無いだろうか。

本質的に邪悪で利己的で攻撃的な生き物(=人間)が、この地球に存続する限り、洪水を何度起こしても地球は浄化できないはず。

ノアの方舟には人間は乗せるべきじゃ無かったんだと思う人は『地球が静止する日』を見るとすっきりしますよ。
このブログの写真は、NOAA(National Oceanic and Atmospheric Administration)が公開している夜の地球。
いかに一握りの人々が地球を独占しているのかが人工照明の明暗で判る。もちろん、日本人も地球にとってはガンのようなものですね。

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