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2008年11月 6日 (木)

渡良瀬遊水地のチュウヒ(2008年冬)

■11月2日(晴)
大きなハート型の池と、それを取り巻く雄大な湿地帯。
ものの大きさを例えるのに東京ドーム何個分とかで表現するが、そんなチンケな基準では表現しきれないほど大きなスケールの湿地が関東平野に残されている。


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この人造の湿地である渡良瀬遊水地が造られた経緯をご存じか?
かつて、上流の鉱山から流出した廃液のために、流域の多くの住民が公害に苦しめられた。時の政府はその公害の拡散を防ぐために、この地の集落を半ば強制的に撤去させて広大な沈殿池を造成した。その詳細は日本の近代史や反公害活動を記した書物などに多く残されているが、お上はこの土地を洪水を防ぐための貯水池だとうそぶく。
ことの真偽はどう在れ、巨額を投じた造成工事の結果として広大な湿地帯が野鳥や草花の聖地として残されたことは、自然保護の観点からは極めてラッキーなことだ。

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ここはチュウヒなど猛禽類の宝庫としても有名で、Ashもハイイロチュウヒが見たくて初冬の湿地帯を一泊二日の旅行で訪ねてみた。
チュウヒは湿地帯の葦原をねぐらとして利用するが、日中はノネズミなどの餌を求めて近所の畑などへ出かけるらしい。
彼らは日の出前にねぐらを飛び去り、夕暮れ間近の時刻に戻ってくる。
雄飛するチュウヒを見るのに適した場所は何カ所か在るが、お勧めは新赤麻橋近くの高台=通称鷹見台だろうか。

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旅の初日、現地に着くやいなや鷹見台に立ってみた。
昨年の暮れに訪れた際には、たくさんのチュウヒが眼下をグライドする姿を堪能できたが、今回は時期が早いのか数時間粘っても一羽も見ることができない。
夕暮れまでには時間がたっぷり在るので、渡良瀬川沿い探索してみた。
昨年はノスリやベニマシコまでもが見れた場所だが、やはり時期が早すぎたのか、数羽のジョウビタキが見れただけ。

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少し気落ちして、もう一度鷹見台に戻ってみると5~6組のバーダーが東側の草原にレンズを向けていた。でも、あまりもの鳥の少なさに誰もが手持ちぶさたそう。

それよりも残念なのは、この場所が騒音をまき散らすバイク族のたまり場に成っていることだった。彼らの改造バイクから意図的に吐き出されるカミナリのような爆音は、雄大な大自然の静寂をぶちこわしにする。こんな馬鹿たれ供に比べれば、自然の摂理に従って種をつなごうと営んでいる鳥たちのほうが、ずっと高尚に思えてならない。

さらに、この湿地の一画にはパラグライダーの基地もあり、彼らを上空に運ぶためのヘリコプターが頻繁に離着陸を繰り返している。

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騒音源は他にもある。あちこちでラジコンの模型飛行機や有人の軽飛行機で遊ぶ人も多く、皮肉にも洪水を防ぐという主旨で造成された湿地は騒音の洪水と化してしまった。
鳥の数が少ないのは、これらの騒音の影響も在るのだろうか。

夕暮れ間近、一羽のオオタカが鷹見台に飛来したが、もうシルエットしか撮れない暗さだ。

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チュウヒのねぐら入りを見るために、ゴルフ場近くの葦原に場所を移す。
目的地では、すでに数人の先客が望遠レンズをセットしてチュウヒの戻りを待っていた。聞くところによると、彼らのお目当てもハイイロチュウヒらしいが、まだこの季節ではチュウヒそのものの数が少ないらしい。

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日没までに何羽かのチュウヒが戻ってきたが、どれも遙か彼方の葦原に舞い降りるので、絵になる写真がまったく撮れない。地元のバーダーの話では、日によってねぐらが変わるので舞い降りる場所は特定しづらいとか。

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期待していた成果も得られず、遊水地に隣接した古河市のビジネスホテルへと車を走らせる。
カーナビをセットして湿地帯を周回する道路を走ると、他県に入った旨のアナウンスが頻繁に流れるのが興味深い。この湿地帯は、埼玉、栃木、群馬、茨城の北関東四県が複雑に入り組んだ場所に位置するからだ。

■11月3日(曇)
旅の二日目はあいにくの曇天。チュウヒがねぐらを飛び立つという夜明け前の時刻に葦原へ行くのは諦めて、渡良瀬川の東側の湿地帯や田園地帯を走ってみた。

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耕作地でノネズミなどを狩るチュウヒを探したが、見ることができるのはトンビやカラスばかり。鷹見台の対岸の集落まで来てみたが、かろうじて一羽のチュウヒがグライドするのが見れただけ。夕刻も迫ってきたので、ゴルフ場に向かう。

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きょうは、昨日に確認した着地ポイント近くに場所を変更して待ってみたが、どのチュウヒも皮肉なことに昨日の撮影場所近くへ舞い降りて行く。やはり、ねぐらは一定の場所でないようだ。

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きょうも午後5時近くまで粘ってみたが、あいにくの曇天のためISOを1600にアップしてもシルエットしか撮れない暗さに成ったので、今回の旅行を終えることにした。

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次回は真冬に再訪して、是非ともハイイロチュウヒをゲットしたいな。

昨年冬の探鳥記はこれ⇒渡良瀬遊水地のチュウヒ(2007年冬)

●北は北海道から南は宮古島までAshの目で見た鳥たちの庭へもお越しください。

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