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2007年12月

2007年12月20日 (木)

アイヌの聖地で涙した

アイヌ出身の国会議員が居ることは昔から知っていたが、その人のフルネームが萱野茂(かやのしげる)であり、彼は昨年の春に他界していたことはマイミクのウレシバさんから教えてもらった。
Ashは、「すべての生き物のみならず、石ころや山や風の音にも魂が宿っている」というアニミズム(精霊信仰)を信ずるが、アニミズムを基盤として数千年も前から北海道の大地で自然と共生してきたアイヌの暮らしに共感することも多い。
この冬には北海道や青森などへ何度も出かける機会があったので、先週末にアイヌの聖地とも言える二風谷(にぶたに)を訪れてみた。

二風谷に向かう前に、今回の旅の目的の一つである冬のオオワシを探しに苫小牧郊外の沙流川(さるがわ)下流を探索してみた。

8819085_1481994848_2しかし、流域の何箇所もが重機を使った土木工事の最中だったうえ、暖冬のせいかオオワシの姿はついに見ることが出来なかった。
沙流川河口のカモメ。喧嘩してるん?それともラブラブの仲?

8819085_2050069413 オオワシを諦めて二風谷に向かう道中で、一羽のオジロワシが木に止まっているのを発見。さっそく望遠レンズを構えたが、ピンとも定まらない前に逃げられてしまった。
オジロワシ。ちょっと遠かったなぁ、それに手持ちだったし。

8819085_1864538031到着した二風谷の第一印象は、Ashが想像していたようなひなびた山村からは程遠く、巨大なダムや鉄筋コンクリートの建造物が建つ意味不明の村だった。
この風景からは、かつてこの地にサケやマスを初めとした多様な生き物が多く棲む沢が在ったことを想像することも難しい。
このダムに興味が在る人は、「二風谷ダム」でWikipediaを検索してみることをお勧めする。
写真は氷結したダム湖。かつてはこの場所に沢が流れていたのだが

この月の初めに訪れた渡良瀬遊水地でも同様のことが言えるが、お上やお役所は、この流域で生計を営んでいる住民(アイヌ)の意思や生活をまったく無視して、「沙流川の治水と日高地域への利水」を大義名分にして、こんな馬鹿げた巨大ダムの建設を強行してしまった。
もう、この谷へはサケやマスが遡上することも不可能に成り、それらの魚類を糧として生きてきた熊やオオワシやアイヌの生活は、きわめて深刻な窮地に落とし入れられてしまった訳だ。

8819085_2641426300村で見かけた看板
萱野さんのみならず、いろんな方々が地道に活動しているようです。

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8819085_3052978526イヨマンテの儀式で天国へ送られたクマの頭蓋骨
ちょっと不気味だけど、崇高なものですよね。

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8819085_1811636924 萱野茂氏が私財を投じて収集したアイヌの民具
この他にもたくさんの民具が展示されていた。

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8819085_1380341679昔ながらのアイヌの家を再現

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8819085_3690127530神(カムイ)とは...
アイヌという心優しい民族の土地を略奪し、アイヌの文化や言葉を奪って日本人への同化を強制してきたうえに、この蛮行は酷すぎる。
そんな酷い仕打ちをしたお上の予算で建てられたコンクリートのアイヌ資料館とダムを見ていたら、涙があふれてきたAshでした。

8819085_2221240712 暗い気持ちで戻った札幌の街には氷雨ならぬ悲雨が降っていた

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2007年12月15日 (土)

渡良瀬遊水地のチュウヒ(2007年冬)

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渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)は、栃木・茨城・埼玉・群馬の4県にまたがる広大な湖沼で、湖や周辺の草原は四季を通じて野鳥たちの楽園として有名です。
遊水地の公式サイトでは、この広大な土地は「明治時代にこの流域に頻繁に発生していた洪水を抑えるために作られた人造湖だ」と説明されています。

Img_4895 しかし、真の建造目的は城山三郎が著した「辛酸」でも知られるように、上流の鉱山や精錬所から発生する鉱毒を沈殿させるためだったのです。
流域の土手が写真のように不気味な銅色に見えるのはAshの思い過ごしなんでしょうか?

この人造湖を作るために、流域に接する村落が強制的に廃村にされたという悲しい歴史や、田中正造氏の反公害活動も有名ですね。
この話に興味ある方は「足尾鉱毒事件」で検索すれば、かなりの情報にヒットするはずです。

Img_4575 事の真意はともかく、長い年月に渡って本州最大の湿地が無人に近い状態で保存されてきたために、野生の動植物にとっては貴重なサンクチュアリに成ったわけです。
一羽のトビが、陽が昇って気温が上がるのを待っていました。

Img_4683写真の紅マシコは、彩りに乏しい冬季にユーラシア大陸から飛来するスズメくらいの大きさの小鳥で、木の実などを好んで食べます。
メスの体色はオスに比べて地味ですが、つぶらな瞳は両性とも変わりません。

Img_4729_2 ミサゴが池の上を回遊して、お目当ての魚を捜しています。
この日は遭遇できなかったのですが、ミサゴはゲットした魚の頭を前にして両足の爪でつかみ、食事場まで運んだうえでムシャムシャと食べます。
ミサゴが魚以外を捕獲した場面は見たことが無いので、本当に魚好きな鳥なんでしょうね。

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食後でお腹いっぱいなのか、眼の下を魚の群れが通りかかっても知らんぷりのミサゴです。
そうですね、美味しい物がいっぱい在っても、食べ過ぎたらメタボの飛べない鳥に成ってしまいますね。

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冬にはチュウヒや灰色チュウヒも訪れます。
チュウヒは、写真のように草原を低空でグライドして、ノネズミなどの小動物を探します。
残念ながら灰色チュウヒが狩を始める時刻の午後五時までは滞在できなかったために、念願の灰色チュウヒに合うのは次の機会になりそうです。

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2007年12月 2日 (日)

岐阜で逢えたミソっち(2007年冬)

Img_4463a日本では体長10cmのキクイタダキに次いで小さいミソサザイ。
ちなみに体長は10.5cmなんだけど、普段は尻尾をピンと跳ね上げてて寸詰まりなんで、実感としては日本一のチビに見えますね。
Ashはこの春から夏にかけて大阪府の最高峰である金剛山のミソサザイに逢いたくて何度か通ったものの、運と天候に見放されて、写真には一枚も収めることができなかったんです。げっそり
でも、所用で来た岐阜市の「ながら川ふれあいの森」で偶然にもミソっちに逢うことができました。

Dsc03259_3  この森は東海自然歩道のコースにも成っていて、近郊からのハイキング客でにぎわいます。
市の中心部から車で20分程度のロケーションに在りながら、夏にはオオルリやサンコウチョウが来るし、冬にはジョウビタキやルリビタキを始め、オオマシコなども飛来するらしいので、岐阜市民にとってはお手軽にバードウォッチングができる名所のようですね。
Img_4425_2 残念ながら Ashはこの公園には不案内だったので、ハイキングコース沿いに一時間程度歩いてて、見れたのはシジュウカラ程度でした。
シジュウカラには悪いけど、もっとレアな鳥との遭遇を期待してたのに平凡な成果に落胆して歩いてたら、向こうから三脚とビデオを担いだオッチャンが来たので、「何か居ます?」って聞いたら「ミソサザイ居るんだけど、でも教えてあげないよ」と冷たい返事。「えー、ミソサザイ見たい!静かにしとくし、絶対ナイショにしとくんで連れてって!」と拝み倒してミソサザイのポイントへ連れてって貰いました。手(チョキ)

Img_4436_2 遠くの枝には二年目くらいのルリビタキ(♂)も留まってたんですが、曇天なのでこの程度の証拠写真しか撮れませんでした。
ルリビタキの体色は幼鳥のころにはみすぼらしいものの、齢を経るごとに鮮やかな瑠璃色に成ってきます。

Img_4463_3目の前に降りて来たミソっち。
ちょこまか動くんで、なかなか写真を撮らせてくれません。
この鳥は主に昆虫を食べるはずなのに、なんで葉っぱをついばんでるんやろ?と思ってよくよく見ると、葉っぱに包まって越冬中のサナギを食べているようです。
Img_4520_2 これからの季節は徐々に食糧事情が悪くなるけど、なんとか生き延びてほしいな。
それにしても、可愛いオケツでしょ。
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